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特殊支配同族会社の役員報酬の損金不算入(法法35条)
平成22年度税制改正により廃止されています。
社長の給料をあげただけで何で会社の税金がふえるんだー(怒)

まったくふざけた税法改正の説明をしましょうか・・・
業務主宰役員グループ(業務主宰役員やその親族、関連会社)の持株割合が90%以上で、常務に従事する役員の総数に対する「業務主宰役員」と常務に従事する「業務主宰役員関連者」の数の割合が50%超の同族会社は『特殊支配同族会社』とされ、業務主宰役員給与額の給与所得控除額が損金算入不算入となる。
適用除外要件
「基準期間(前3事業年度)における「基準所得金額」が下記のいずれかに該当する場合は適用除外
@800万円以下(平成19年4月1日以後開始事業年度から1600万円)
A800万円(平成19年4月1日以後開始事業年度から1600万円)超3000万円以下で、基準期間の業務主催役員給与の平均額が「基準所得金額」の50%以下

(法法35A、法令72の2D〜L)

(よくある質問)
1 役員給与一部損金不算入制度の目的は? オーナーが代替わりした場合の損金不算入額
1 特殊支配同族会社の要件は? 業務主宰役員を複数社兼務するときは?
1 株式会社以外の法人も対象? 基準期間とはなんですか?
1 業務主催役員とはだれ? 基準所得金額とはなんですか?
議決権による判定をする場合の留意点 調整所得金額の計算は?
親族とはどこまでの範囲ですか? 過年度欠損金額の調整控除額の計算は?
常務に従事する役員の範囲は? 損金不算入への対応策は?
1 役員5人の全部が家族の場合は特殊支配同族会社になるのですか? 個人事業と法人はどちらが有利?
1 常務に従事する業務主宰役員関連役員とは? 社長の給与を下げたほうが得か?
1 給与所得控除額とはなんですか? 業務主宰役員給与シミュレーション
基準所得金額による課税関係のまとめ
よくある質問の答え
1 役員給与一部損金不算入制度の目的はなんですか?
実態が個人事業とかわらないような同族会社において、オーナーの役員給与が法人段階で損金算入され、個人段階でも給与所得控除をうけることができるのは「経費の二重控除」であるとして、こうした「実質的な一人会社」については、オーナー役員の個人所得にかかる「給与所得控除相当額」を法人所得に加算(法人段階では損金不算入)することで、法人成り後の課税ベースを個人事業での課税ベースと同水準とすることを目的としているようです。(法法35@、法令72、72の2@〜C、I〜L)
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1 特殊支配同族会社の要件はなんですか?
特殊支配同族会社となるのは次のふたつの要件を同時に満たす会社をいいます。
@業務主宰役員」とその関連者が発行済み株式総数の90%以上の株式を有している。
  (株式数の90以上超保有、議決権割合の90以上、持株会社の社員割合が90以上超)
A常務に従事する役員総数に対する「業務主宰役員」と常務に従事する「業務主宰役員関連者1
の数が50%超であること。
(法法35@、法令72)

以上の要件は、事業年度終了時点で判断します。
@とAでは対象となる役員等の範囲が異なるので要注意!
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1 株式会社以外の法人も対象になるのですか?
同族会社の判定のない公益法人(財団法人)、社団法人、NPO法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、中間法人、宗教法人税理士法人等は対象から除かれます。
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1 業務主宰役員とはだれですか?
業務主宰役員とは、税務上の役員(法法2N、法令7)のうち会社の経営権を行使して職務を執行する中心的な役員個人)であり、通常は代表取締役社長が該当します。(法法35@)

但し、状況が同じような役員が複数いる場合は、勤務状況、役員報酬額など総合的に判断することになります。
(例えば、代表取締役会長(親)と代表取締役社長(子)の関係など・・・)

実質的な判定にあたっては、事業計画の策定、多額な融資契約の実行、人事権の行使等、給与の多寡などが重要。
給与所得控除相当額損金不算入の対象となるのは業務主催役員ひとりでよく、仮に「業務主宰役員関連者」(家族や親戚等)が役員であっても、その役員報酬に対しては損金不算入の規制は受けません。
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議決権による判定をする場合の留意点
★業務主宰役員関連者の範囲
@業務主宰役員の親族
A業務主宰役員の内縁関係者
B業務主宰役員の使用人(いわゆる家事使用人)
C業務主宰役員から受ける金銭等で生計を維持している者(@〜B以外)
D @〜Bと生計を一にするこれらの者の親族
E業務主宰役員などの持株割合が90%以上の同族会社
(持株割合には種類株式も考慮します。)
ア.組織再編(解散、株式交換・合併・分割等)
イ.役員の選任・解任権
ウ.役員報酬の承認権
エ.剰余金の配当請求権
★同一の内容を行使することに同意している者
個人または法人との間で当該個人または法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意しているものがある場合には、その同意している者が有する議決権は当該個人または法人が有するものとみなされ、かつ、当該個人または法人(その議決権に係る会社の株主等であるものを除く)はその議決権に係る会社の株主等であるものとみなされる。(法令72C)
また業務主宰役員と特殊関係のあるものに該当するかどうかの判定にあたっても同様。
契約や合意等により同意している事実により判定
  1. 株式の所有が組合形態で行われている場合で、特定の組合員の意思により議決権が行使される旨の組合契約等における合意があるとき
  2. 株式の所有が信託形態で行われている場合で、委託者、受託者または他の受益者の意思または指図により議決権を行使する旨の合意または信託行為における定めがあるとき
  3. 株式を相互に持ち合っている場合で、議決権の行使についてお互いの意に沿うような行為をする旨の合意があるとき
  4. 当該個人または法人に対して継続的に白紙委任状を提出しているとき
※なお、単に過去の株主総会において同一内容の議決権行使を行ってきた事実があることや、当該個人または法人と出資、人事、雇用関係、資金、技術、取引等において緊密な関係があることのみをもっては、当該個人または法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意しているとはいえない。
名義株の取扱
実際の権利者が名義株の株主とするため、発行済株式数による判定だけすればよく、議決権の判定までする必要はない。
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親族とはどこまでの範囲ですか?
配偶者、6 親等以内の血族、3 親等以内の姻族
表の株主Aを業務主宰役員と読み替えてください。
(青色の範囲ではありませんのでご注意を)

(アラビア数字1.2・・・は血族、漢数字一、二・・・は姻族)
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常務に従事する役員の範囲はどこまでですか?
常務に従事する役員」とは、経営に関する業務を役員として実質的に、日常継続的に遂行している役員
取締役会長 その業務の内容や従事の実態、役員報酬の多寡等を考慮し個別に判断 ○/×
代表取締役社長 会社業務の一切の行為をする権限を有するため該当
副社長 会社の中枢かつ責任のある地位にあり、会社経営業務を実質的に日常的に遂行していると考えられるため該当
専務・常務取締役 同上
常勤取締役 単に取締役会のメンバーとして参加するだけではなく、実質的に会社経営に関する業務を日常継続的に遂行していれば該当
(形式的、名目的な取締役は該当しない)
非常勤取締役 実質的に会社経営に関する業務を日常継続的に遂行していないと考えられるため該当しない。 ×
使用人兼務役員 単に取締役会のメンバーとして参加するだけではなく、実質的に会社経営に関する業務を日常継続的に遂行していれば該当
使用人兼務役員の「役員部分の給与」が、「使用人部分の給与」を超えていること
(この場合は雇用保険と労災保険から外れる可能性が高い)
○/×
会計参与 会社の経営に関する業務を行う役員ではない。 ×
監査役 同上 ×
みなし役員 法人税法上の「みなし役員」であっても実質的に会社経営に関する業務を日常継続的に遂行していれば該当 ○/×
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1 常務に従事する「業務主宰役員関連者」の範囲は?
次の3つの要件を全て満たすもの
@業務執行全般の適正を監督するに足ると認められる程度にその職務に従事していること
A業務主宰役員関連者であること
B取締役であること

従って、業務主宰役員関連者であっても、従業員(取締役ではない)であれば、フルタイムであってもカウントされないと考えられます。(但し、一定の株式を持ち経営の主要な意思決定に参画している場合には「みなし役員」としてカウントされる可能性はあります。)
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1 役員5人の全部が家族の場合は特殊支配同族会社になるのですか?
ケース1 ケース2 ケース3
持株割合 役員 持株割合 役員 持株割合 役員
父親 50% 社長 50% 社長 50% 社長
母親 20% 専務 20% 専務 20% 専務
長男 10% @常勤役員 10% @常勤役員 10% A非常勤役員
長女 10% @常勤役員 9% @常勤役員 10% A非常勤役員
次男 10% @常勤役員 0% @常勤役員 10% A非常勤役員
従業員 0% 11% 0%
@常勤役員は実質的な「常務に従事する役員」
A非常勤役員は形式だけの役員
                     診断結果  
ケース1 ケース2 ケース3
業務主宰役員及び関連者の持株要件
業務主宰役員(社長)と親族で100%保有(≧90%)なので要件を満たす。 業務主宰役員(社長)と親族で89%保有(<90%)なので要件を満たさない。 業務主宰役員(社長)と親族で100%保有(≧90%)なので要件を満たす。
常務に従事する役員数要件(業務主宰役員+常務に従事する業務主宰役員関連者)÷常務に従事する役員数
(業務主宰役員+常務に従事する業務主宰役員関連者)
社長(1)+専務(1)+常勤(3)=5人 社長(1)+専務(1)+常勤(3)=5人 社長(1)+専務(1)=2人
(常務に従事する役員数)
社長(1)+専務(1)+常勤(3)=5人 社長(1)+専務(1)+常勤(3)=5人 社長(1)+専務(1)=2人
(業務主宰役員+常務に従事する業務主宰役員関連者)÷常務に従事する役員数
5人/5人=100%>50%
要件を満たす
5人/5人=100%>50%
要件を満たす
2人/2人=100%>50%
要件を満たす
判定結果 特殊支配同族会社に該当 特殊支配同族会社には該当せず 特殊支配同族会社に該当
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1 給与所得控除額とはなんですか?
個人の給与所得の所得税を計算するときの計算式は次のとおりです。
(給与金額−給与所得控除額)×所得税率=所得税
つまり、給与所得税とは給与所得者(サラリーマン)の経費みたいなもので、個人事業者の事業所得にはありません。
今回の改正は、この社長個人の所得税を計算するときに差し引かれる「給与所得控除額」を会社の法人税を計算する際の会社の利益に加算するというものです。
給与額 給与所得控除額
以下 (損金不算入額)
650,000 給与額×100%
650,000 1,625,000 650,000
1,625,000 1,800,000 給与額×40%
1,800,000 3,600,000 給与額×30%+180,000
3,600,000 6,600,000 給与額×20%+540,000
6,600,000 10,000,000 給与額×10%+1,200,000
10,000,000 給与額×5%+1,700,000
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オーナーが代替わりした場合の損金不算入額
100 100 100 (単位:万円)
50 50 50 50 50 50 50 50 50
先代 二代目 先代も二代目も業務主宰役員であるとする。
(先代分の損金不算入額の計算)
(100+100+100)×12ヶ月÷3ヶ月=1200 …役員給与年額相当額
給与所得控除額 1200×5%+170=230
損金不算入額 230÷12ヶ月×3ヶ月=575

(二代目の損金不算入額の計算)
(50×9ヶ月)÷9ヶ月×12ヶ月=600
給与所得控除額 600×20%+54=174
損金不算入額 174÷12ヶ月×9ヶ月=130

((合計損金不算入額)
(先代分)575+(二代目分)130=705
(注)別表十四(一)には業務主宰役員の氏名や給与額を1名分しか記載できないため、同一年度内において業務主宰役員の変更があった場合は別表十四(一)を2枚提出する。
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特殊支配同族会社の業務主宰役員を複数社兼務している場合はどうなるのか?
選択式 留意点
按分計算方式 兼務している特殊支配同族会社の業務主宰役員給与の合算額から按分計算する。 ・業務主宰役員としての役員給与の合算
個別計算方式 特殊支配同族会社ごとに個別に業務主宰役員給与の損金不算入額を計算する。
「按分計算方式」の具体的な計算式
@特殊支配同族会社すべての業務主宰役員給与額を合算して全体としての給与所得控除額を計算
A全体の給与所得控除額÷全体の業務主宰給与額×それぞれの特殊支配同族会社からの給与額を計算
B合算対象会社の決算月が異なる場合は、当該会社の決算月現在で特殊支配同族会社の判定を行い、合算する業務主宰役員給与の金額も、当該会社の決算月から遡って1年間分が対象となる。
C合算対象会社が事業年度終了までに特殊支配同族会社に該当しなくなっても、当該会社の当初申告の修正等はできない。
D他の会社が所得金額による適用除外要件に該当しても合算する。
※「個別計算方式」よりも「按分計算方式」の方が有利であるが、申告書提出時期までに、業務主宰役員である他の特殊支配同族会社の社名、常務に従事する役員の氏名、支給金額等を証明する書類を提出しなければならない。(法令72条の2C、法規22条の4)
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基準期間とはなんですか?
基準期間とは、当期前3事業年度のことをさし、当期が平成20年3月決算であれば、平成17年3月決算、平成18年3月決算、平成19年3月決算の事業年度が該当します。
但し、例えば平成20年3月期は特殊支配同族会社であるが、平成18年3月期は特殊支配同族会社でない場合は、平成17年3月期も基準期間には含まれず、基準期間は平成19年3月期のみとなります。
(なお、平成15年4月1日以前に開始した事業年度は特殊支配同族会社には該当しません。)
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基準所得金額とはなんですか?
基準所得金額=〔調整所得金額−(調整欠損金額+過年度調整繰越欠損金額の控除額)〕×12/(基準期間内事業年度の月数の合計数)

※基準期間内事業年度とは、基準期間(前3年以内に開始した各事業年度のうちに特殊支配同族会社に該当しない事業年度がある場合には、その該当しない事業年度のうち最も新しい事業年度以前の各事業年度を除く)に含まれる各事業年度

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調整所得金額と調整欠損金額の計算はどうするのですか?
調整所得金額= 調整欠損金額=
所得金額≧0 所得金額+業務主宰役員給与額+欠損金の当期控除額
所得金額<0 業務主宰役員給与額−欠損金額 欠損金額−業務主宰役員給与額

基準期間内事業年度 所得金額
(△欠損金額)
欠損金等の控除額 業務主催役員給与額 調整所得金額 調整欠損金額
@ A B C=@+A+B Cがマイナスの場合
平成17年3月期 △2,000,000   8,000,000 6,000,000  
平成18年3月期 △6,000,000   4,000,000   2,000,000
平成19年3月期
(当期直前事業年度)
0 9,000,000 9,000,000 18,000,000 0
    21,000,000 24,000,000 2,000,000

@所得金額=法人税申告書別表四の「所得金額または欠損金額【38】の1
A別表七の「当期控除額【2】
B業務主宰役員の報酬から損金不算入となった役員賞与を控除した金額
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過年度欠損金額の調整控除額の計算はどうするのですか?
基準期間内の調整所得金額から控除される「基準期間前の欠損金額」をいいます。
但し、平成13年4月1日より前に開始した事業年度分まで、過年度欠損金額の調整控除額にかかる欠損金額の控除期間は5年間です。(平成13年4月1日以降の事業年度は7年間)
例えば、当期が平成19年3月期だとすると・・・
基準期間の平成16年3月期からは5年間遡って控除できますが、平成17年3月期は4年分、平成18年3月期は3年分を控除できます。
調整所得金額 調整欠損金額 控除プロセス
平成12年3月期 △2800 +2800 過年度調整繰越欠損金の
控除期間は7年間
(但し、平成13年4月1日前
開始事業年度分は5年間)
平成13年3月期 600 △600
平成14年3月期 600 △600
平成15年3月期 △600 +600
平成16年3月期 600 △600
基準期間 平成17年3月期 1200 △1000
(残ゼロ)
△200 左合計1600(1,000+200+400)
が「過年度調整繰越欠損金額」として、
基準期間内事業年度の
調整所得金額から控除される金額
平成18年3月期 600 △400
(残ゼロ)
平成19年3月期 600
当期 平成20年3月期 △1000
第12期 600
第13期 600
第14期 600
第15期 600
調整所得金額 調整欠損金額 控除プロセス
平成12年3月期 △2800 +2800 過年度調整繰越欠損金の
控除期間は7年間
(但し、平成13年4月1日前
開始事業年度分は5年間)
平成13年3月期 600 △600
平成14年3月期 600 △600
平成15年3月期 △600 +600
平成16年3月期 600 △600
平成17年3月期 1200 △1000
(残ゼロ)
△200
平成18年3月期 600 △400
(残ゼロ)
△200 調整欠損金を、その発生
した事業年度の終了日の
翌日から前3年以内に開始
した各事業年度のうち最も
古い事業年度の調整所得
金額から順次控除
(前倒し控除)
平成19年3月期 600 △600
平成20年3月期 △1000 +1000
基準期間 平成21年3月期 600 △200
(残ゼロ
前倒し控除しきれなかった
残額を控除
平成22年3月期 600
平成23年3月期 600
当期 平成24年3月期 600
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損金不算入への対応策は何があるのですか?
特殊支配同族会社とならないようにすることが考えられますが、課税庁により役員報酬の過大として否認されたり、租税回避行為として否認されないように実態を伴った対応策が必要となります。
株主構成の変更
10%超の株式を非同族の株主にもってもらう(取引先、従業員・・・)。

従業員持株会の設立・運営
株式移転行為につき経済合理性がない場合は「同族会社の行為計算否認」を発動される可能性あり
また、会社経営権の一部の譲渡になるので十分注意する必要あり
役員構成の変更
@常勤役員の過半数以上を同族以外にする。
A親族を役員から従業員にする。
役員数増員に実態がない場合は常務従事役員とみなされない可能性あり
社長報酬の抑制
社長の給料を引き下げる。 社長が自分の給料を下げ、下記の特殊関係のある使用人や役員に対して過大な給与を支給した場合は、不相当に高額な部分の金額は損金不算入とされる可能性があります(法36条)
 @業務主宰役員の親族
 A業務主宰役員の内縁関係者
 B業務主宰役員から受ける金銭等で生計を維持している者(@〜B以外)
 C@〜Bと生計を一にするこれらの者の親族
個人事業と法人はどちらが有利?
前提:個人事業時の所得=1500万円とし、法人成り後役員報酬1500万円、会社利益0とします。
個人事業 会社形態
所得税・地方税 事業所得1500万円×50%=750万円 役員報酬(1500万円−給与所得控除245万円)×50%=628万円
法人税・地方税 (法人利益0+給与所得控除額245万円)×42%=103万円
合計 750万円(個人750 731万円(個人628、会社103
結論 (但し、全体所得が小さくなるほど個人事業と会社形態の税額の差はなくなっていきます) 有利
社長の給与を下げたほうが得か?
前提:従来の社長給与=1500万円だったのを半分の750万円に引き下げた場合
社長給与1500万円、会社利益0 社長給与750万円、会社利益750万円
所得税・地方税 役員報酬(1500万円−給与所得控除245万円)×50%=628万円 役員報酬(750万円−給与所得控除195万円)×30%=167万円
法人税・地方税 (法人利益0+給与所得控除額245万円)×42%=103万円 (法人利益750万円+給与所得控除額195万円)×42%=397万円
合計 731万円(個人628、会社103 564万円(個人167、会社397
結論 社長の給与を引き下げたほうが、
全体の税金は少なくなる。
基準年度が黒字の会社は社長の給与がいくらなら損金不算入になるのですか?
業務主宰役員給与平均 損金算入となる基準期間内の平均所得金額 備考
400万円以内 3000万円まで
400万円超800万円未満 800万円−業務主催者給与
800万円以上1500万円未満 業務主宰役員給与<平均所得
1500万円以上 なし
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基準所得金額による課税関係のまとめ


注意 平成19年4月1日以後開始事業年度から適用除外基準所得金額が800万円から1600万円に引き上げられます))
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