借地権の設定 |
借地権の種類 |
|
|
普通借地権 |
定期借地権 |
|
地上権 |
賃借権 |
登記・抵当権 |
地主に借地権の登記の請求ができる。
抵当権を設定し地上権を担保に融資を受けることができる。 |
登記不可 |
登記可能 |
借り手の自由度 |
地主に断りなく建物を転売・転貸できる。 |
建物の転売・転貸には地主の承諾が必要
(借地権価額の10%前後の)承諾料が相場 |
建物の転売や転貸は不可 |
契約期間 |
30年以上 |
50年以上 |
契約方法 |
あり(更新しないと契約は無効) |
なし(更新排除の特約) |
契約の更新 |
借地人が更新を求めた場合、同一の条件で契約を更新しなければならない。
地主が契約更新を拒絶できるのは正当事由がある場合のみ。 |
公正証書がベスト |
建物売買請求権 |
あり(排除特約は無効) |
なし(建物売買請求権排除の特約) |
建物再築による契約期間の延長 |
あり(契約期間延長排除特約は無効) |
契約期間の延長の定めができる。 |
更新後の期間 |
1回目→20年
2回目→10年 |
なし |
土地の返還 |
一度貸した土地は半永久的に返ってこない。 |
契約期限に必ず返還される。 |
立ち退き料 |
土地を取り戻すためには高額な立ち退き料が必要 |
不要 |
権利金等一時金 |
土地時価の50%〜60% |
土地代の20〜30%程度の保証金で済む。
保証金も契約終了後には全額返金 |
|
|
このページのトップに戻る |
借地人の課税関係 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出 |
借地人の課税関係 |
法人借地人の課税関係 |
個人借地人の課税関係 |
地主が法人か個人か問わず |
法人地主の場合 |
個人地主の場合 |
※相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
―(関係無し) |
借地権支出額 |
借地権支出額 |
借地権支出額 |
一部 |
提出できない |
借地権支出額 |
借地権支出額 |
借地権支出額 |
無 |
―(相当の地代の支払 がある為、提出不要。) |
課税関係なし |
課税関係なし |
課税関係なし |
※通常の地代
(相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
借地権支出額 |
借地権支出額 |
借地権支出額 |
一部 |
提出できない |
借地権支出額
借地権認定課税(@-権利金支出額)
(※受贈益として課税) |
借地権支出額
借地権認定課税(@-権利金支出額)
(※一時所得または給与課税) |
借地権支出額
借地権認定課税(@-権利金支出額)
(※贈与税課税) |
無 |
提出 |
課税関係なし |
課税関係なし |
課税関係なし |
未提出 |
借地権認定課税@
(※受贈益として課税) |
借地権認定課税@
(※一時所得または給与課税) |
借地権支出額
借地権認定課税(@-権利金支出額)
(※贈与税課税) |
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
課税関係なし |
課税関係なし |
課税関係なし |
未提出 |
借地権認定課税A (※受贈益として課税) |
借地権認定課税A
(※一時所得または給与課税) |
課税関係なし |
|
|
@ |
(土地の更地価額≠相続税評価額)
相当の地代=(更地価額−授受した権利金)×おおむね6% |
A |
|
|
このページのトップに戻る |
地主の課税関係 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出 |
地主の課税関係 |
法人 |
個人 |
※相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
―(関係無し) |
土地(上地権)の譲渡として権利金は益金計上
借地権設定後の土地の時価が50%以上下落した場合は土地の簿価の一部の損金算入B
50%未満の下落の場合も評価損の計上可能(法基通9-1-19) |
権利金収入
※権利金額>土地時価の50%・・・譲渡所得
土地の簿価の一部の損金算入C
※権利金額≦土地時価の50%(もしくは地代の20倍)・・・不動産所得(臨時所得課税の選択可)
|
一部 |
提出できない |
無 |
―(相当の地代の支払 がある為、提出不要。) |
課税関係なし |
課税関係なし
(実際の地代は不動産所得) |
※通常の地代
(相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
土地(上地権)の譲渡として権利金は益金計上
借地権設定後の土地の時価が50%以上下落した場合は土地の簿価の一部の損金算入B
50%未満の下落の場合も評価損の計上可能(法基通9-1-19) |
権利金収入
※権利金額>土地時価の50%・・・譲渡所得
土地の簿価の一部の損金算入C
※権利金額≦土地時価の50%(もしくは地代の20倍)・・・不動産所得(臨時所得課税の選択可)
|
一部 |
提出できない |
土地(上地権)の譲渡として権利金は益金計上
権利金相当額を借地人に贈与(@−権利金入金額)
(※寄付金課税または賞与処理))
借地権設定後の土地の時価が50%以上下落した場合は土地の簿価の一部の損金算入B
50%未満の下落の場合も評価損の計上可能(法基通9-1-19) |
無 |
提出 |
課税関係なし |
課税関係なし |
未提出 |
権利金相当額を借地人に贈与@
(※寄付金課税または賞与処理)) |
原則として課税関係なし (実際の地代は不動産所得)
(但し、同族会社の行為計算否認規定により、地主個人に対して譲渡所得課税ないしは不動産所得の認定課税が行われた判決あり) |
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
課税関係なし |
課税関係なし |
未提出 |
権利金相当額を借地人に贈与A
(※寄付金課税または賞与処理)) |
課税関係なし
(但し、同族会社の行為計算否認規定により、地主個人に対して譲渡所得課税ないしは不動産所得の認定課税が行われた判決あり) |
|
|
@ |
(土地の更地価額≠相続税評価額)
相当の地代=(更地価額−授受した権利金)×おおむね6% |
A |
|
B |
|
C |
|
|
|
このページのトップに戻る |
借地権の取得価額 |
|
- 権利金の金額
- 建物取得代価のうち借地権の対価と認められる金額(但し、建物購入代価の10%以下の場合は建物に含めることができる)
- 賃借した土地の改良のためにした土盛り、地ならし、埋め立て等の整地に要した費用
- 借地契約に要した手数料等
- 建物を増改築するために地主に支払った費用
|
このページのトップに戻る |
権利金を授受しなくてもよい場合 |
|
- 借地権の設定にあたり権利金を授受する取引上の慣行がないことを立証できる場合(通常は路線価図の借地権割合が明記してある地域は権利金の授受の慣行があると推定される)
- 更地使用(物置場、駐車場…)
- 一時使用(仮営業所、仮店舗等でおよそ10年程度)
- 相殺的性格のある経済的合理性がある場合
- 共同ビルを建設する場合(敷地と建物の権利割合が等しい場合)
- 第三者間取引の場合
- 無償返還の届を提出した場合
|
|
このページのトップに戻る |
無償返還届けのあった場合の課税関係 |
借地人の課税関係 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出(注2) |
借地人の課税関係 |
権利金の認定課税(借地人) |
法人 |
個人 |
借地人 |
法人 |
個人 |
※相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
(関係無し) |
− |
− |
― |
− |
一部 |
提出できない |
− |
− |
― |
− |
無 |
(相当の地代の支払がある為、提出不要。) |
− |
− |
― |
− |
※通常の地代 (相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
− |
− |
― |
− |
一部 |
提出できない |
− |
− |
受贈益
|
一時所得(または賞与課税) |
無 |
提出 |
課税関係なし(注1) |
法人地主の場合のみ
相当の地代認定額相当額の雑所得(又は給与課税)注2 |
免除 |
− |
未提出 |
− |
− |
受贈益
|
一時所得(または賞与課税) |
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
課税関係なし(注1) |
法人地主の場合のみ
相当の地代認定額相当額の雑所得(又は給与課税)注2 |
免除 |
- |
未提出 |
− |
− |
受贈益
|
一時所得(または賞与課税) |
|
|
(注1)理論上は相当の地代の認定課税が生ずると考えられるが、実際は実際の地代(無償を含む)が相当の地代より低いことにより法人の課税所得が多くなっているので、既に相当の地代の認定課税が行われているのと同じ結果となっている。 |
|
(注2)借地人が役員である場合は更地評価額の6%の定期給与を支給したものとして給与課税される。 |
|
このページのトップに戻る |
地主の課税関係 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出(注2) |
地主の課税関係 |
権利金の認定課税(借地人) |
法人 |
個人 |
借地人 |
法人 |
個人 |
※相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
(関係無し) |
− |
− |
― |
− |
一部 |
提出できない |
− |
− |
― |
− |
無 |
(相当の地代の支払がある為、提出不要。) |
− |
− |
― |
− |
※通常の地代 (相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
− |
− |
― |
− |
一部 |
提出できない |
− |
− |
受贈益
|
一時所得(または賞与課税) |
無 |
提出 |
相当の地代と実際の地代の差額相当の受贈益の計上と借地人に対する寄付金の両建て計上(寄付金限度額計算)もしくは報酬給与 |
相当の地代の認定課税なし |
免除 |
− |
未提出 |
− |
− |
受贈益
|
一時所得(または賞与課税) |
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
相当の地代と実際の地代の差額相当の受贈益の計上と借地人に対する寄付金の両建て計上(寄付金限度額計算)もしくは報酬給与 |
相当の地代の認定課税なし |
免除 |
- |
未提出 |
− |
− |
受贈益
|
一時所得(または賞与課税) |
|
|
このページのトップに戻る |
借地権の返還 |
借地の返還と立退き料 |
立退き料の性格 |
|
- 移転費用を地主が補填するもの
- 明け渡しのために借地人が事実上失う利益の補償
- 借地人が失う借地権の補償
地主から借地人に支払われる借地権返還に伴う借地権の対価と諸費用の補填 |
|
このページのトップに戻る |
立退き料がいらないと認められる場合 |
|
- 無償返還届を提出している場合
- 地代の改訂届けを提出している場合
- 現実に相当の地代を授受している場合
- 建物が老朽廃した場合
- 借地権の存続期間が満了した場合(借地権の更新請求なし)
- 借地権の合意解除または放棄の場合(建物の著しい老朽化、事業廃止その他借地契約の存続が困難と認められる特別の事情が必要)
- 解除権の行使により借地契約が解除された場合
- 一時使用の場合
- 更地使用の場合
- 相殺的性格がある経済合理性がある場合
- 共同ビルを建設する場合
- 第三者間取引による場合
- 使用貸借の場合
|
このページのトップに戻る |
立退料の額の算定 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出 |
立退料の額 |
相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
―(関係無し) |
ゼロ |
一部 |
提出できない |
ゼロ |
無 |
―(相当の地代の支払 がある為、提出不要。) |
ゼロ |
通常の地代以上
|
通常額 |
提出できない |
|
一部 |
提出できない |
|
無 |
提出 |
ゼロ |
未提出 |
|
通常の地代未満 |
無 |
提出 |
ゼロ |
未提出 |
|
無償(使用貸借)
|
無 |
提出 |
ゼロ |
未提出 |
ゼロ |
|
|
このページのトップに戻る |
立退き料の借地人の課税関係 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出 |
立退料を収受しなかった場合の
借地人の課税関係 |
法人借地人の課税関係 |
個人借地人の課税関係 |
法人地主の場合 |
個人地主の場合 |
※相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
―(関係無し) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
一部 |
提出できない |
無 |
―(相当の地代の支払 がある為、提出不要。) |
※通常の地代
(相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
一部 |
提出できない |
地主に対する寄附金課税(または賞与扱い)
(認定立退料−権利金) |
譲渡所得
(認定立退料−権利金) |
認定課税なし(実際の立退料の課税のみ) |
無 |
提出 |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
未提出 |
地主に対する寄附金課税(または賞与扱い) |
譲渡所得
(認定立退料) |
認定課税なし(実際の立退料の課税のみ) |
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
未提出 |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
認定課税なし |
|
|
このページのトップに戻る |
立退き料の地主の課税関係 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出 |
立退料を支払わなかった場合の
地主の課税関係 |
法人地主の課税関係 |
個人地主の課税関係 |
法人借地人 |
個人借地人 |
※相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
―(関係無し) |
土地の簿価を借地権設定前の金額に戻す(益金計1上) |
課税関係なし |
課税関係なし |
一部 |
提出できない |
無 |
―(相当の地代の支払 がある為、提出不要。) |
課税関係なし |
課税関係なし |
課税関係なし |
※通常の地代
(相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
土地の簿価を借地権設定前の金額に戻す(益金計上)
(明らかに贈与であれば受贈益課税) |
一時所得または賞与課税
(認定立退料ー権利金) |
課税関係なし |
一部 |
提出できない |
無 |
提出 |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
未提出 |
原則として課税関係なし
(明らかに贈与であれば受贈益課税) |
一時所得または賞与課税
(認定立退料ー権利金) |
課税関係なし |
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
未提出 |
無償返還
(立退料ゼロ) |
無償返還
(立退料ゼロ) |
課税関係なし |
|
|
このページのトップに戻る |
借地の返還を受けた地主の課税関係 |
|
|
法人 |
個人 |
立退き料の支払あり |
借地権の設定時に土地の簿価の一部を損金算入済み |
立退き料と既損金算入額との多い額を土地簿価に加算(益金処理) |
立退き料を土地の取得費に算入 |
借地権設定時に無処理 |
借地権の取得価額として土地の簿価に加算 |
立退き料の支払なし |
借地権の設定時に土地の簿価の一部を損金算入済み |
既損金算入額を土地簿価に加算(益金処理) |
(贈与課税の可能性) |
借地権設定時に無処理 |
原則として課税関係は生じない。
しかし明らかに贈与と見られる場合は受贈益課税 |
|
|
このページのトップに戻る |
借地権の譲渡 |
借地権の譲渡の形態 |
|
- 借地権付建物の譲渡として建物と一緒に行われる譲渡
- 借地権そのものの単独譲渡
- 借地権の消滅に対して立退き料その他の対価を受けた場合のみなし譲渡
- 他の借地権または土地との交換
- 収用等による譲渡
- 企業再編による借地権の移転
|
|
このページのトップに戻る |
借地権の譲渡収益の計上時期 |
|
|
補足 |
原則 |
引渡しのあった日の属する事業年度 |
借地権の譲受人の使用収益が可能となったとき
@借地権付建物の場合は建物の引渡し時
A借地権の単独譲渡で引渡し日が明確でない場合は、譲渡代金の約50%以上が授受された日の属する事業年度 |
例外 |
借地権が固定資産である場合には、その譲渡契約の効力発生日の属する事業年度 |
|
|
|
このページのトップに戻る |
借地権の譲渡価額 |
|
地代の授受の状況 |
権利金の支払 |
無償返還の届出 |
借地権の譲渡価額 |
相当の地代 (地代を改定する場合) |
通常額 |
―(関係無し) |
支出した権利金の額 |
一部 |
提出できない |
支出した権利金の額 |
無 |
―(相当の地代の支払 がある為、提出不要。) |
ゼロ |
通常の地代 (相当の地代に満たない場合、通常の地代に満たない場合を含む。) |
通常額 |
提出できない |
通常額が限度 |
一部 |
提出できない |
|
無 |
提出 |
ゼロ |
未提出 |
|
無償(使用貸借) |
無 |
提出 |
ゼロ |
未提出 |
|
|
|
このページのトップに戻る |
借地権の無償譲渡が認められる場合 |
|
- 賃貸借契約上無償返還の定めがある場合
- 無償返還の届出が提出されている場合
- 相当の地代が授受されている場合
- 更地使用(物置場、駐車場…)
- 一時使用(仮営業所、仮店舗等でおよそ10年程度)
- 建物の老朽化等で借地権が消滅し存続が困難と認められる場合
|
|
このページのトップに戻る |