株式譲渡・買収の課税関係のまとめ |
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個人が未上場株式を譲渡したときの課税関係 |
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1.株式等の譲渡所得 |
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総収入金額(譲渡価額)−(取得費+取得費に加算される相続税+借入金の利子+委託手数料) |
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取得費 |
実際の購入代金か売買代金の5%のいずれか大きいほう |
取得費に加算される相続税 |
相続、遺贈により取得した株式を相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合には、 一定の算式により計算された金額を取得費に加算することができる。 |
借入金の利子 |
株式を取得するための負債利子で、譲渡した年中(譲渡の日の1月1日から譲渡の日まで)に支払うべき金額 |
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2.株式譲渡益に対する税率 |
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所得税15% 住民税5%
(所得税については譲渡した年度の翌年の3月15日までに確定申告−申告分離課税) |
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3.譲渡損失の取扱 |
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株式譲渡損失は他の銘柄の株式譲渡益と損益通算することはできるが、他の所得と通算できない。
また、未上場株式の譲渡損失は翌年度以降に繰り越しできない。 |
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低廉譲渡(低額譲渡)の場合の売主・買主の課税関係 |
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(例 取得価格=500円 適正時価=1500円 実際譲渡価格=600円) |
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(売主⇒買主) |
適正時価 |
売主 |
買主 |
個人⇒個人 |
相続税法評価額 |
譲渡所得税
(600−500)×20% |
贈与税
(1500−600)×贈与税率 |
個人⇒法人 |
(個人)所得税法評価額
(法人)法人税法評価額
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譲渡所得税(みなし譲渡課税)
(1500−500)×20%
同族会社等への譲渡の場合は
時価の1/2以上でも時価で譲渡したものと取り扱う規定あり |
法人税(受贈益)
(1500−600)×法人税率 |
他の株主に対して贈与税の可能性 |
法人⇒個人 |
(個人)所得税法評価額
(法人)法人税法評価額
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寄付金課税
(1500−600)
(役員の場合は役員賞与扱いとされ、損金不算入とされる)
(発行法人の株主の場合は配当扱いとなり損金不算入) |
所得税(一時所得)
(1500 - 600 )×税率
(役員の場合は給与所得)
(株主の場合は配当所得)
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法人⇒法人 |
法人税法評価額 |
法人税
(600−500)×法人税率 |
法人税(受贈益)
(1500 - 600 )×法人税率 |
寄付金課税
(1500−600)
(寄付金損金算入限度額を超える分は損金に算入されない) |
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高額譲渡の場合の売主・買主の課税関係 |
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(例 取得価格=500円 適正時価=1500円 実際譲渡価格=2000円) |
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(売主⇒買主) |
適正時価 |
売主 |
買主 |
個人⇒個人 |
相続税法評価額 |
贈与税
(2000−1500)×贈与税率
譲渡所得税
(1500-500)×20%
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なし |
個人⇒法人 |
(個人)所得税法評価額
(法人)法人税法評価額
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所得税(一時所得)
(2000−1500)×税率 |
寄付金課税(賞与扱い)
(2000 - 1500 )
(役員の場合は賞与扱いとされ損金不参入) |
譲渡所得税
(1500−500)×20% |
法人⇒個人 |
(個人)所得税法評価額
(法人)法人税法評価額
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法人税
(2000−500)×法人税率
(高額部分は受贈益) |
他の株主に贈与税が課される可能性あり |
法人⇒法人 |
法人税法評価額 |
法人税
(2000−500)×法人税率
(高額部分は受贈益) |
寄付金課税
(2000−1500)
(寄付金損金算入限度額を超える分は損金に算入されない) |
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